海や星がキレイな波照間島。そしてチャラ男、ヒロさんとの出逢い。

最終日の朝、本当は彼の自転車の後ろで涙ぐんでいた

蒼い海を見渡す坂、ニシ浜に行く誰もが通る下り坂、一面に広がる光景

水平線から空を大きく覆う白い雲、波照間特有の青い空。

 

ベンチに座り朝食のパンを食べながら、別れの時は泣いてしまうかもな、と考えていた、静かなニシ浜の東屋の下。

 

初めてヒロさんに会ったのは、島の居酒屋。

一緒の宿に泊っていた旅人ゆうきが以前知り合った友達が今日島に来るから、と3人で一緒に食事することになった

人見知りの自分はなんとか笑顔で挨拶する

 

第一印象は、感じが良くスマートだけど、大人なチャラ男という感じ。(ちょっと矛盾している)

 

ヒロさんは違う宿に泊っていた、けれど必ず早朝はニシ浜にいた

カメラ片手に海の中を泳いでみたり

地平線を見ながらぼーっと何か考えこんだり

海の写真を撮ってはスマートフォンでSNSでも書き込んでいた

 

 

同じ宿、勝連荘にも一緒に泊まった

星空を撮るのが好きなせいかヒロさんは星について異常に詳しい

 

夜、波照間島の集落から少し抜けると、灯りがなくなり、目で観測できるものが星だけになる

草木や人影が色を失い、モノクロの風景とただ数え切れない星だけが目の前に広がる

 

無限に広がる宇宙と星たち。

その無限の3次元を2次元で見ることができる波照間島。

 

その日初めて会った旅人たちと、宇宙の果てのような景色を見て同時に感動するのも不思議な体験。

 


同じ宿、勝連荘の旅人たちと、居酒屋味○(みまる)。そして、そのまま星空を見に行った一期一会。

 

ヒロさんは、老若男女、誰に対しても分け隔てなく、話しかける

 

初めての人には分かりにくい波照間の道

地図を片手に迷っている人がいたら話しかけて道を教えていた

 

ニシ浜の前で水着を着ずに写真を撮っている人には

少し関西なまりで「泳がないんですか?」と笑顔で話しかけていた

 

島を訪れる人にそうやって何気なく話しかけ、旅人は誰もがそれに笑顔で答えていた。

旅先であまり人と会話をすることが苦手な僕に「思ったことをただ話せばいいんだよ」と教えてくれた。

 

二人で飲みにも行き、話したけれど、やはりつかみどころがない。

ホスト時代の話、年収が数億円の過去

最後は、愛想を付かした当時の彼女が金目のものを持って去ったこと

トリマーの勉強をして起業したこと

5年前から仕事の合間に八重山諸島を旅していること

 

 

ひろさんの日課はもう一つ

島で出会った旅人たちが帰る時

防波堤の先で必ず見送ること

 

 

人が多いお盆の時期が過ぎ、仲良くなった旅人たちが一人、また一人と島を去り、日常に帰っていく

それを僕も一緒に見送った。

とても楽しくて、とてもとても寂しい

 

僕が帰る最後の日、いつもと同じように他の旅人をヒロさんと見送った

「こうやって見送るの面白いですね。楽しいです」、と僕が言うと、

 

「何よりも、みんな喜んでくれるからね」

 

小さくうなずきながら少し笑って、そう言った

 


見送れらた旅人がLINEで送ってくれた画像。左がヒロさん、右が僕。

 

波照間島での長い夏休み、たくさんの人との出逢い。

高速船の出発時刻になれば旅人たちを見送るためにあの桟橋に行く

 

見送られながら涙を流してくれた人

見えなくなるまで笑顔で手を振ってくれた人

別れ際、高速船の窓越しにSNSのアカウント交換しようと言ってくれた人

 

たった10日間だけれど東京から遠い南の島の時間は、数ヶ月にも感じられ、紛れもなく特別だった

そして、最後は僕も見送られるのだ、と旅人たちを毎日見送っていた

 

最終便16時50分の少し前。

いつも僕と一緒に誰かを見送っていたヒロさんは、僕を見送るためだけに桟橋に来てくれた

言葉は多くを交わすことなく、二人とも遠い空をみたり、桟橋から海の底を見たり、意外と混んでるねといつも通りの会話をしていた

 

 

僕が帰る高速船は満席。

室内は全ての席が埋まり、室外のベンチも全ての席が埋まった

僕は、乗船するとすぐに最後尾の席の場所を取る

そしてヒロさんは、慌てて自転車に乗って向かう

 

知ってるよ、防波堤でしょ。

僕だって今日の昼、同じように防波堤に走ったし。

 

帰っていく旅人が乗船するとすぐに、高速船が近くを通る防波堤に向かう

 

 

船が離岸してゆっくりと大きく旋廻

進行方向を見定めると一気に加速する

 

そして、満席の船内は、徐々にざわつく。

うんうん、そうなるよね、防波堤に変な人いるもん。みんな気になるよね

 

ピンク色のアフロのかつらを被った全身真っ黒のチャラ男が大きく手を振っている

 

 

 

その頃、僕はというと・・・

 

朝の不安は見事にハズレ

 

誇らしげに全力で笑いながら、「ありがとうございますーー!!笑」って大声上げてたよ。

船内中の人がびっくりして俺を見たって関係ない、だって大声で「ありがとう」って言いたい気分

 

誇らしげにってところが、泣かなかった理由かな。

 

 

ひろさん、本当に感謝です。

とても短い間にいろんなことを教わりました、

一人旅の醍醐味 波照間の海や星の美しさ

そして何よりも 人と人のつながりの素晴らしさを。

 

僕は決めました。これからも旅を続けます

ヒロさんや旅で知り合った仲間たちと会うため、まだ見ぬ旅人に出会うため。

 

いつか第二のひろさんになれることを目指して。

 

 
最終日、集落からニシ浜に向かうヒロさん、それを後ろから眺める僕。

 

 
 

 

ファイル・ロケーション: STORY

コメント

  1. さとみ

    はじめまして!
    波照間島について検索していたら
    辿り着きました。
    私も、前日、波照間島に行って素敵な出会いを体験した1人です。
    ひろくんとも、出会い記事を読み改めて彼の人柄の温かさを感じました。
    未だ一度しか、お会いしていませんが、また会いに行こうと思う方でした。

  2. 初めまして、さとみさん
    コメントありがとうございます!

    ヒロさんとても不思議な人ですが、人に対する本当に温かさがあって知り合えて良かったと思いました!
    InstaやFacebook見ると、出逢って半年経った今もまだ波照間島にいるみたいですし。苦笑
    僕もまた会いたいなぁ(^_^)

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