2016年GWに行った生まれて初めての宮古島は、ずっと快晴。本来なら文句なしの天気。
そう、たしかにキレイなのだけれど、沖縄の離島をいくつも旅してたくさんのキレイなビーチを見てきた僕にはなぜか少し物足りなさがあった。
日中は、新城海岸で日光浴と海水浴。そこで出逢った海の家のおじさんもとても優しく商売っ気が全然なくて居心地がとてもいい。
そして、3泊4日で借りたレンタカー。
この日、宮古島入りして2日目の夜、あるゲストハウスに宿泊することになった。ゲストハウス AloAlo
すでに何十箇所も宿泊してきたゲストハウスと何ら違わない、そんなふうに期待もせず、宿に着く。
着くとすぐに、宿の人と思しき2人の男女が宿や宮古島の説明を30分かけて丁寧にしてくれた。タカさんとトモさん。
宿の注意事項、近くのコンビニやお店への行き方、おすすめの観光名所、宮古島の歴史、とある岬で働く人が良い夫婦の話。
丁寧な宿だなぁーっと思っていたけれど、その全ては宿泊者のためだけの説明、案内、宿泊者が宮古島を最大限に楽しんでもらうための心遣い。
その日の夜、近くの居酒屋で食事した僕がゲストハウスに戻ると
ちょっとした出来事が起きていた。蛾のような羽虫が宿の外に大量発生していた。
窓を閉め切っていれば虫は入ってこないのかもしれないが、何しろ昔からある家を簡単にリフォームしただけなので窓にも隙間があり、虫がなぜか僕の部屋の中にだけ入ってきていた。
虫はそんなに嫌いじゃないのだけれど、さすがに飛び交う蛾の下で寝るのはちょっと。。すると、タカ&トモが申し訳なさそうに慌てて、声をかけてくれた。
「昨日まで全然こんなに虫なんて出なかった。なぜ今日に限って。。」
と、申し訳なそうに騒いでいた。
良い感じに酔っ払った自分は、軽いハプニングを楽しみながら、タカさんとトモさんと会話しながら、楽しい時間を過ごしていた。
窓中の隙間にティッシュを詰めるという、すごいアナログな手段で何とか虫は部屋の中に入らなくなってきて、一安心。
落ち着いて部屋のベッドで横になっていると部屋の向こうからタカさんの声がした。
「宿泊費を少し返金したいんですが。。」
正直言って驚いた。ゲストハウスって、とても安くて便利なのだけれど、その代わりサービスレベルはとても低い。安く泊まれるのだから、多少のことは我慢してね、っていうスタイルが当たり前なのだけれど。
「いやいや、全然気にしてないので大丈夫です!」
「不快な気分にさせてしまっていると思うので返金を。。」
「本当に気にしていないので大丈夫です。僕も少し楽しかったので。笑」
その後、少し飲み足りなかった自分は、また、ふらふら~とゆんたくルームに出た。気付いたタカさんが、また
「そうだ。これを無料でお渡しします。」
そう言って手渡されそうになった泡盛1リットルのボトル。
「だめです!僕、つぶれちゃいます!」
それを見ていた別の宿泊者から笑いが起きた。僕はとてもその瞬間が楽しくて。
すこし大げさかもしれないけれど、自分がなぜまた旅にでかけたくなるか、その答えを少し垣間見ることができた。本当に良い出会いだった。旅人が非日常的な充実した時間を過ごしたくて旅をする。それを迎えてくれる地元の人や宿の人は、旅人のためのおもてなしをする。とても幸せな一日だった。
その宿はその日、一日だけ宿泊する予定だったので次の日は別の宿に移動した。今度、宮古島に来たときは、全泊をこの宿で!と思えるような一晩だった。
宿の人の心遣いでこんなに”その日”、”その旅”が一瞬にして、充実するなんて、旅が充実するなんて。
タカ&トモ、一押しの伊良部島空港横のビーチ